2026/4/1

知る、選ぶ、整える。不飽和脂肪酸の総合ナレッジベース

管理栄養士

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飽和脂肪酸が多い食べ物をランキング形式で紹介!体への影響や減らす方法も解説

栄養編集チーム 管理栄養士

公開日

2026.04.01

最終更新日

2026.04.01

健康診断でコレステロール値を指摘された経験がある方や、できるだけ手軽に食生活を見直したいと考えている方も多いのではないでしょうか。

コレステロール値に影響する栄養素のひとつに、飽和脂肪酸があります。飽和脂肪酸は、体に必要な栄養素ですが、摂りすぎると健康を損なうおそれがあるため注意が必要です。

本記事では、以下の内容を解説します。

  • 飽和脂肪酸を多く含む食品

  • 飽和脂肪酸の摂りすぎによる影響と摂取目安量

  • 飽和脂肪酸を減らすためのポイントやレシピ

飽和脂肪酸について理解を深めて、健康的な体作りに活かしましょう。


 

【分類別】飽和脂肪酸を含む食品TOP10

本章では、飽和脂肪酸を多く含む食品を分類別にランキング形式で紹介します。

まずは肉類で飽和脂肪酸を多く含む食品は、以下のとおりです。(1)

 

順位

食品名

成分量

(100gあたりg)

1

うし 輸入牛肉 リブロース

34.40

2

うし 乳用肥育牛肉 リブロース

32.71

3

ぶた 大型種肉 ロース

32.03

4

ぶた 中型種肉 ロース

31.96

5

うし 交雑牛肉 リブロース

29.61

6

ぶた 中型種肉 かたロース

28.60

7

ぶた 中型種肉 かた

28.38

8

ぶた 中型種肉 もも

27.78

9

ぶた 大型種肉 かたロース

27.57

10

うし 乳用肥育牛肉 かた

27.48

 

肉類では、うしやぶたに多く含まれています。


 

次に、乳製品で飽和脂肪酸を多く含む食品は以下のとおりです。(1)

 

順位

食品名

成分量

(100gあたりg)

1

コーヒーホワイトナー 粉末状 植物性脂肪

30.99

2

クリーム 植物性脂肪

26.61

3

クリーム 乳脂肪

26.28

4

ホイップクリーム 乳脂肪

24.98

5

チェダーチーズ

20.52

6

クリームチーズ

20.26

7

エメンタールチーズ

18.99

8

クリーム 乳脂肪 植物性脂肪

18.32

9

パルメザンチーズ

18.15

10

ゴーダチーズ 

17.75

 

乳製品では、チーズやクリームに多く含まれています。


 

最後に、油脂類で飽和脂肪酸を多く含む食品は以下のとおりです。(1)

 

順位

食品名

成分量

(100gあたりg)

1

やし油

83.96

2

パーム核油

76.34

3

無発酵バター 食塩不使用バター

52.43

4

ショートニング 業務用 製菓

51.13

5

発酵バター 有塩バター

50.56

6

無発酵バター 有塩バター

50.45

7

パーム油

47.08

8

ショートニング 家庭用

46.23

9

ショートニング 業務用 フライ

41.37

10

牛脂

41.05

動物性の油脂に多く含まれているのが分かります。

 

今回のランキングを参考に、健康的な食生活を目指しましょう。

 

 

 

飽和脂肪酸は重要なエネルギー源だが現代人は摂りすぎている

脂質は体に必要な栄養素のひとつですが、中でも飽和脂肪酸は現代人が摂りすぎている栄養素です。

飽和脂肪酸は、脂肪酸に分類される脂質で、化学的には炭素の間に二重結合をもたない脂肪酸を指します。(2)

主に以下のような食品に多く含まれています。(3)

  • 肉や乳製品などの動物性脂肪

  • パーム油ややし油などの植物油脂

  • インスタントラーメンのような加工食品 

現代人の生活に欠かせない食品に多く含まれているのが分かります。

飽和脂肪酸の摂りすぎは、健康に悪影響を及ぼすため注意が必要です。

ただし、飽和脂肪酸を含む脂質は、細胞膜の構成やエネルギー供給、脂溶性ビタミンの吸収にも関与しています。(4)

極端に制限してしまうと体調不良や栄養不足につながるため、適切な量を摂取するのが大切です。


 

飽和脂肪酸の摂りすぎによる影響と摂取目安量

適切に飽和脂肪酸を摂取するために、本章では以下の内容を解説します。

  • 飽和脂肪酸の摂りすぎによる心血管疾患へのリスク

  • 飽和脂肪酸の摂取量の目安

食生活に活かせるよう、体への影響や摂取目安量を知りましょう。


 

飽和脂肪酸の摂りすぎは心血管系疾患のリスクを増やす

飽和脂肪酸を摂りすぎると、心血管系疾患のリスクが高まります。

飽和脂肪酸は、LDL(悪玉)コレステロールの増加に関与している栄養素で、動脈硬化の原因のひとつです。(3)

LDLコレステロールは血管の中に蓄積されやすく、血管の内側の壁を硬く弾力のない状態にしてしまいます。

その結果、血管が狭くなったり詰まりやすくなったりして、狭心症や心筋梗塞といった心血管系疾患を引き起こすのです。(5)

また、飽和脂肪酸の摂りすぎは肥満の原因にもなります。肥満は、心血管系疾患や糖尿病など、さまざまな生活習慣病の要因にもなるため注意が必要です。(6)


 

飽和脂肪酸の摂取量の7%以下が目安量

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、飽和脂肪酸の摂取目標量を総エネルギー摂取量の7%以下としています。(7)

この基準は、日本人の飽和脂肪酸摂取量の中央値を基準に設定されたもので、目標値は上限を示しています。そのため、7%以下の摂取が望ましいでしょう。

1日に必要なエネルギー量は、身体活動量によって異なり、以下のように3段階に分けられます。(8)

 

活動量

具体例

高い

・立ち仕事や移動が多い仕事の人

・活発な運動習慣を持っている人

ふつう

座り仕事が中心だが、軽い運動や散歩などをする人

低い

一日のうち、座っていることがほとんどの人

出典:「一日に必要なエネルギー量と摂取の目安|農林水産省」のデータより引用・加工

ほとんどの方の生活は「ふつう」または「低い」に該当するでしょう。

たとえば、成人女性の1日に必要なエネルギー量は以下のとおりです。(8)

  • 活動量が少ない場合:1,400~2,000kcal

  • 活動量が普通以上の場合:2.200kcal±200kcal

 

1日に必要なエネルギー量を2,000kcalとすると、飽和脂肪酸の摂取目標は次のように計算します。(7)(8)


 

総エネルギー摂取量2,000(kcal)× 0.07(%)=飽和脂肪酸の摂取目標量140kcal 

 

また、飽和脂肪酸を含む脂質は1g=9kcalであるため、140kcalとは具体的に以下の量にあたります。(9)

 

  • 140(kcal)÷ 9(kcal)=約15.5(g)

 

15.5gを、前述の飽和脂肪酸を多く含む肉類の第一位である「うし 輸入牛肉 リブロース」に当てはめると、以下のとおりです。(1)

 

  • 15.5(g)× 34.40(g)/ 100(g)=約45.06(g)

 

「うし 輸入牛肉 リブロース」の1日に食べられる量は、45.06gとなります。つまりステーキを1枚食べただけで食べすぎとなるため、量を減らすか頻度を抑えると良いでしょう。

飽和脂肪酸は、摂取量が少なすぎても体に悪い影響を及ぼすため、健康を維持するには適量を摂るのがポイントです。


 

飽和脂肪酸を減らすためにバランスの良い食事を意識する

現代の食生活は、飽和脂肪酸を減らすだけではなく、バランスの良い食事を心掛けなければなりません。

飽和脂肪酸を摂りすぎている一方で、摂取不足の脂肪酸もあります。

本章では、バランスの良い食事を摂るために以下について解説します。バランスの良い食事を摂るために、ぜひ実践してください。

 

 

食品選びのコツ 

バランスの良い食事のためには、飽和脂肪酸を減らし、不足しやすいオメガ3脂肪酸を増やす必要があります。

 

それぞれの具体的な方法は、以下のとおりです。(10)

 

 

具体的な選び方のコツ

飽和脂肪酸を減らす

・肉は脂身の少ない所を選ぶ

・クリームやバターをひかえるために、洋菓子よりも和菓子にする

・乳製品は低脂肪のものや豆乳で代用する

・たんぱく質の摂取は肉のみではなく魚や豆腐なども取り入れる

・外食時も何が入っているかを考えてメニューを選ぶ

オメガ3脂肪酸を取り入れる

・アマニ油やえごま油を取り入れる

・鯖やいわしなど、青魚を意識して摂る

・食事からの摂取が難しい場合はサプリメントを利用する

 

飽和脂肪酸を控えた食事は、最初は物足りなく感じるかもしれません。

制限があるなかで満足感を得るためには、代わりになる食品選びも大切です。

また、現代人は、不飽和脂肪酸であるオメガ3脂肪酸が不足しているといわれています。

オメガ3脂肪酸は、アマニ油や青魚のような、なじみのない食品に多く含まれている栄養素です。

十分な量を確保しにくく、意識して取り入れる必要があります。食事からの摂取が難しい方は、サプリメントを利用して手軽に取り入れるとよいでしょう。


 

具体的な調理法の工夫とお手軽レシピ

バランスの良い食事をするための具体的な調理法は、以下のとおりです。

  • 蒸す、茹でる、網焼きで油を使わない

  • 加熱調理で使う油はオリーブオイルにする

  • 肉は下ゆでしたり、皮や脂身を剥いだりして使う など

上記の調理法に基づいて、健康的で手軽なレシピを2つ紹介します。

 

 

鮭のホイル焼き

 

【材料】

鮭: 2切れ・お好みの野菜 (玉ねぎ、きのこなど): 適量・レモン: 薄切り2枚・塩、こしょう: 少々・酒: 大さじ1

 

【作り方】

  1. アルミホイルを広げ、野菜→鮭の順にのせる

  2. 塩、こしょう、酒を振り、レモンの薄切りをのせる

  3. アルミホイルで包み、オーブントースターまたは魚焼きグリルで鮭に火が通るまで焼く(焦げ付きにくいフライパン用のアルミホイルを使えばフライパンでもOK)

  4. お好みで醤油などをかける

 

【ポイント】

・鮭は不飽和脂肪酸が豊富で、油も使わず健康的

・きのこ類をたっぷり加えヘルシーで満足感アップ

・流行りのせいろで応用すれば、おしゃれでよりヘルシーになる

 

鶏むね肉と野菜のレンジ蒸し

【材料】

鶏むね肉: 1枚・お好みの野菜 (キャベツ、きのこ、パプリカなど): 適量・酒: 大さじ1・塩、こしょう: 少々・ポン酢やごまだれ: 適量・アマニ油orえごま油:適量

 

【作り方】

  1. 鶏むね肉は皮を取り、フォークで数カ所穴を開け、酒、塩、こしょうを振る

  2. 野菜は食べやすい大きさに切る

  3. 耐熱容器に野菜、鶏むね肉の順に入れ、ふんわりとラップをかける

  4. 電子レンジで鶏肉に火が通るまで加熱する

  5. アマニ油やえごま油などをかける

 

【ポイント】

  • 鶏むね肉は皮を取り除き、飽和脂肪酸を大幅にカット

  • 電子レンジの調理で、油を使わずヘルシー且つ手軽に作れる

  • アマニ油やえごま油でオメガ3脂肪酸を補いながらオイル感で満足感もアップ

 

少しの工夫で健康的かつ満足感のある食事が叶います。


 

飽和脂肪酸の摂りすぎに注意し、健康的な毎日を送ろう

飽和脂肪酸は、体に重要な栄養素ですが、現代では飽和脂肪酸を摂りすぎる傾向にあり、かえって健康に悪影響を与えます。また、オメガ3脂肪酸のように不足している脂肪酸もあり、偏っているのが現状です。

とはいえ、飽和脂肪酸を減らしすぎると、食の楽しみを失ったりストレスが溜まったりして続きません。肩の力を抜きながら食生活を改善していきましょう。

なお、バランスよく脂肪酸を摂取するのが難しい方は、サプリメントの活用がおすすめです。

気になる方は、ぜひチェックしてください。

ヘルスカレッジ栄養編集チームは、管理栄養士や食の専門家が集まり、最新の栄養情報をわかりやすく、毎日の生活に役立つ形でお届けしています。

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参考文献

References

https://www.health-college.com/article/saturated-fat-foods