

薬剤師
ホリダ
薬剤師歴は16年で、健康サポート薬局認定薬剤師として、地域の皆さまの健康を支える薬剤師業務に日々励んでいます。患者さま一人ひとりの不安や疑問に丁寧に向き合い、わかりやすく正確な服薬指導と情報提供を心がけています。2023年7月よりWebライターとしても活動を開始し、医療・健康に関する信頼できる情報発信にも取り組んでいます。
青魚の種類と健康への効果 今日からできる青魚のおいしい食べ方についても解説

ホリダ 薬剤師
公開日
2025.08.11
最終更新日
2025.08.11
青魚は日々の食生活に上手に取り入れることで、生活習慣病予防や認知機能向上といった健康維持に役立つ食品です。
健康のために青魚がよいと分かっていても「種類が多すぎてどれを選べばよいかわからない」「毎日食べるのは大変そう」「そもそも本当に効果があるの?」などの悩みがあるかもしれません。
本記事では、以下について解説します。
-
青魚の種類と栄養素
-
目安の摂取量と注意点
-
効果的な食べ方とサプリメントの選び方
これらを参考に食生活を見直し、健康的な毎日を送りましょう。
青魚の種類と栄養!健康に役立つ理由とは?
青魚とは、背中が青い、体が銀色の魚の総称です。代表的な青魚には、サバやイワシなどがいます。
青魚は、DHAやEPAといった不飽和脂肪酸を豊富に含み、認知症や生活習慣病予防などの健康維持に欠かせません。本章では、代表的な青魚の種類と、その栄養価について解説します。
代表的な青魚 サバイワシアジなど
代表的な青魚とその栄養素について、下表にまとめました。
サバ |
血液をサラサラにする効果 コレステロールを下げる |
イワシ |
カルシウムやビタミンDが豊富 骨粗鬆症予防に効果的 |
サンマ |
ビタミンB12が豊富 貧血予防 |
アジ |
ビタミンB1が豊富 疲労回復効果 |
青魚には、上記の栄養素が豊富に含まれているため、健康状態や好みに合わせて日々の食卓に取り入れてみてください。(1)(2)
青魚にはDHAやEPAなどたくさんの栄養が含まれている
青魚に豊富に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)は、脳の活性化や血液の健康維持に役立ちます。
これらの栄養素は、体の中で作られないため、食事からの積極的な摂取が大切です。
青魚の脂肪分は季節や部位によって変わり、特に旬の時期で脂がのっている部位にDHAやEPAが多く含まれます。
青魚を毎日食べるとどんな効果がある?目安摂取量も解説
毎日の食生活に青魚を取り入れると、生活習慣病の予防や認知機能の向上に効果的です。
本章では青魚を食べて得られる効果や適切な摂取量について解説します。
青魚を食べると生活習慣病予防や認知機能向上などの効果あり
健康を維持するためには、毎日の食事内容が大切です。
青魚にはDHAやEPAが含まれており、体によいとされる以下の効果をもたらします。
生活習慣病予防 |
EPAが血液中の悪玉コレステロールや中性脂肪を減らす 動脈硬化を予防する |
認知機能向上 |
DHAが脳の神経細胞を活性化させる 記憶力や学習能力の向上や認知症予防に効果的 |
骨の健康維持 |
ビタミンDやカルシウムが骨密度を高める 骨粗しょう症の予防 |
このように、青魚を食べるとさまざまな健康面へのアプローチが可能です。(3)
毎日の食生活で栄養をバランスよく摂取し、健康的な体づくりを心がけましょう。
青魚の摂取量はサバ1切れが目安
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」によると、1日あたりのオメガ3脂肪酸の目安摂取量は以下のように定められています。
年齢によっても違うため、下表を参考にしてください。
年齢 |
男性 |
女性 |
18~49歳 |
2.2g |
1.7g |
50~64歳 |
2.3g |
1.9g |
出典:厚生労働省.日本人の食事摂取基準(2025年版).P25.n-3脂肪酸の食事摂取基準の表より引用加工
妊婦や授乳中の方の場合は1.7g/日が目安摂取量となります。(4)
これは、サバなら1切れ程度、さんまの場合は1尾弱相当です。
ただし、これらの数値はあくまで目安であり、個人の年齢や活動量によって適切な摂取量は異なります。(1)(5)
青魚を食べ過ぎても大丈夫
青魚には有害物質である水銀が含まれており、健康被害を懸念する声があります。
しかし、体に水銀が取り込まれても、徐々に体外へ排出されるため、過剰に摂取しなければ健康への影響はありません。
ただし、妊娠中の方が魚を過剰摂取すると、胎児の中枢神経系の発達に影響が出る可能性があり、注意が必要です。
また、青魚は比較的カロリーが高く、食べすぎるとカロリーオーバーを招く可能性があります。「体に良いから」といってたくさん食べるのではなく、バランスの取れた食生活を心がけ、青魚以外の食品もバランス良く摂取しましょう。(5)
青魚の栄養をムダなく摂るには?続けやすい工夫とサプリについて
青魚は、調理の方法によって栄養価が変わります。おすすめの食べ方は生食や煮て食べる方法です。焼いて食べる場合は、栄養素を効率的に摂取するために、焼き汁も使用してください。
本章では、青魚の栄養を無駄なく摂取するための調理法や保存方法、サプリメントの選び方についても解説します。
生食や煮汁ごと摂取して栄養をしっかり摂る
青魚は、調理法によって栄養価が変わることがあります。
DHAとEPAは、熱に弱い性質を持っており、焼き魚で約2割、揚げ物で約5割が流出してしまいます。そのため、刺身やマリネなどで摂取するとよいでしょう。(6)
生食の場合は、鮮度の保持が大切です。鮮度を保つ方法について、下表にまとめました。
冷蔵保存 |
内臓やエラを取り除き、キッチンペーパーで水分を拭き取る ラップや密閉容器で包み、冷蔵庫のチルド室やパーシャル室など、温度の低い所で保存する |
冷凍保存 |
下処理後に1切れずつラップで包み、冷凍用保存袋に入れ密封する(金属製のバットを使用して急速冷凍すると、品質の劣化を防げる。) |
このように、ひと手間加えると鮮度が保てて、おいしい状態が長持ちします。
あらかじめ多めに買って保存しておけば時短にもつながるため、ぜひお試しください。
また、煮たり焼いたりする場合は、煮汁や焼き汁も一緒に摂取すると栄養素を無駄なく摂取できます。味噌汁や鍋など汁ごと食べられる料理もおすすめです。
サバ缶やイワシ缶はすでに調理済みで、そのままでもアレンジしても、おいしく食べられます。缶詰の汁にはDHAやEPAが溶け出ており、汁ごと使うと良いでしょう。
骨まで柔らかくなっているため、カルシウムも摂取できます。
DHA・EPAを手軽に取り入れるなら食事とサプリの併用が最適
青魚を毎日食べるのが難しい場合は、サプリメントを活用しても良いでしょう。
サプリメントを活用すれば、献立に悩む手間も減らせて、忙しい毎日でも手軽にDHA・EPAを摂取できます。
青魚に豊富に含まれるDHA・EPAを効率的に摂取するためには、食事とサプリメントの併用がおすすめです。
理想的なのは、基本的な栄養は食事から摂りつつ、不足しがちなDHA・EPAをサプリメントで補うという方法です。このような方法をとることで、無理なく継続的に、効率よくDHAEPAを摂取できます。
ただし、サプリメントで効率的に補うためには、品質の良い製品を選ぶことが重要です。
DHA・EPAサプリの選び方のポイントを下表にまとめました。
DHA・EPAの含有量 |
成人(18〜49歳)の場合、1.7〜2.2gが目安摂取量であるため、普段の食事の傾向から1日あたりの目安摂取量がサプリメントで補えるか確認する |
DHA・EPAの濃度 |
サプリメント内に含まれているDHAやEPAの濃度が高いほど、少量で必要な栄養素を摂取できる 高濃度のDHA・EPAサプリメントの場合、余計な油の摂取を抑えられる。DHAやEPAの濃度が低い場合、体に不要な油を摂取してしまち、健康面への影響が懸念される |
酸化防止剤 |
ビタミンEやアスタキサンチンといった酸化防止剤が含まれていると、DHAEPAの酸化を防ぎ、品質を保つことができる |
信頼できるメーカーかどうか |
GMP認定工場での製造や、第三者機関による品質チェックなど、品質管理が徹底されているメーカーを選ぶ |
カプセルの形状 |
飲みやすさや酸化防止にもつながる |
上記のポイントを踏まえ、自身の健康状態やライフスタイルに合ったDHAEPAのサプリメントを選びましょう。
青魚を食卓に取り入れて、家族みんなで健康になろう
青魚は、DHAやEPAなどの栄養素が豊富で、生活習慣病の予防や認知機能の向上など、さまざまな健康効果も期待できます。
青魚にはたくさんの種類がありますが、生食や煮たり焼いたりすることで、しっかり栄養が摂れます。適切な調理法と保存方法を選択し、健康的な食生活を送りましょう。
時間がないときは缶詰や作り置きを活用して手軽に青魚を摂取できますが、特におすすめなのは、DHAやEPAのサプリメントの摂取です。
時間がなくても、効率的に青魚に含まれているDHAやEPAの摂取ができます。
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参考文献
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