2026/2/13

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エゴマ油の危険性と安全な使い方【副作用や注意点を徹底解説!】

栄養編集チーム 管理栄養士

公開日

2026.02.12

最終更新日

2026.02.12

エゴマ油とはα-リノレン酸というオメガ3脂肪酸を豊富に含む植物油です。 健康効果や美容効果が注目されていますが、使い方を間違えると酸化のリスクや過剰摂取による体調不良などを起こす可能性があり、注意が必要です。 上記を意識しながらエゴマ油を摂取することで、健康や美容効果を手に入れられます。 気になる方は、ぜひ参考にしてください。

エゴマ油の主な危険性とは?

エゴマ油には、4つの危険性があります。

  • 過剰摂取による体調不良

  • 酸化や劣化によるリスク

  • 薬との相互作用による副作用

  • 誤った調理方法による健康リスク

正しくエゴマ油を摂取するためにも、危険性についてしっかりと理解しましょう。


 

過剰摂取が引き起こす体調不良

エゴマ油を過剰に摂取すると、エゴマ油に含まれるオメガ3系脂肪酸によって以下のような症状を引き起こす可能性があります。(2)(3)

 

消化器症状

・胸やけ

・悪心

・下痢 など

その他の症状

・頭痛

・鼻血

・歯ぐきからの出血 など

 

また、α-リノレン酸を豊富に含み、酸化しやすい性質を持っています。

酸化した油は過酸化物質となり、将来的に動脈硬化やがんなどを引き起こすリスクがあるため、効果的に使用するには、推奨摂取量である小さじ1杯(約4〜5g)/日を守りましょう。(12) (13)


 

保存方法の誤りによる酸化リスク

エゴマ油は室温保存で酸化しやすく、低温・遮光管理が必須です。

以下のように保存しましょう。(4)(8)(14)

  • 冷蔵庫などの低温の場所

  • 空気に触れないようにする

  • 日光にあてないようにする

温度変化はもちろんのこと、空気や日光に晒されると、酸化のスピードが早いです。(4)

酸化した油は、体内で細胞を傷つける活性酸素の生成を促進し、老化や病気の原因になる可能性があります。そのため、開封後は冷蔵庫で保管し、早めに使い切るようにしましょう。


 

薬との相互作用による副作用の可能性

エゴマ油は健康に良いとされている一方で、薬との相互作用による副作用のリスクに注意が必要です。特に、血液を固まりにくくする薬を使用している場合、エゴマ油の持つ血液をさらさらにする効果が強くなってしまい、出血リスクが高まる可能性があります。(3)

このような危険性を避けるには、エゴマ油の適切な摂取量を守ることが大切です。

また、服用中の薬がある場合は、事前にかかりつけの医師や薬剤師に相談しましょう。


 

加熱調理による有害物質の生成

エゴマ油は熱に弱く、高温調理を行うと酸化が進みます。(1)

高温調理で酸化をすると、体に有害な過酸化脂質や有害物質が作られてしまう可能性があるのです。

酸化した油を摂取すると「ラジカル」という活性物質の生成を始め、細胞やDNAを損傷させてしまい、将来的にがんや動脈硬化といった生活習慣病を引き起こすともいわれています。(15)

特に、揚げ物や炒め物のような高温を伴う調理では使用しないようにし、加熱せずに生で使用するか、調理の最後に加えると良いでしょう。


 

エゴマ油を安全に使うための4つのポイント

エゴマ油を安全に使用するためには、以下の4つのポイントがあります。

  • 適切な摂取量を守る

  • 開封後は冷蔵保存し、期限内に使用する

  • 服用中の薬がある場合は医師に相談する

  • 加熱せずに、生食で使用する

効果的に摂取をするために、上記を守るようにしましょう。

以下に詳しく解説します。


 

適切な摂取量を守る

エゴマ油の1日の摂取量の目安は小さじ1杯(約4〜5g)程度です。

エゴマ油はオメガ3脂肪酸を豊富に含んでいますが、過剰に摂取するとカロリーオーバーや下痢、腹痛などの消化器症状を引き起こします。

また、過剰摂取は栄養バランスを崩し、健康に悪影響を及ぼすことも考えられます。特に、他の油と組み合わせて使う場合は、全体の脂質バランスを考慮し適切な量を守ることが重要です。


 

開封後は冷蔵保存し、期限内に使用する

エゴマ油は酸化しやすいため、開封後は冷蔵庫で保管し1〜2ヶ月以内に使い切るようにしましょう。

酸化が進むと風味が損なわれるだけでなく、有害な過酸化脂質が生成される可能性があります。

必ず品質保持期限を確認し、できるだけ早めに使い切ってください。

また、ボトルのキャップをしっかり閉め、空気との接触を最小限に抑える工夫も必要です。


 

服用中の薬がある方は医師に相談する

エゴマ油を摂取する際、服用中の薬がある場合は必ず医師に相談しましょう。

エゴマ油に含まれるαーリノレン酸をはじめとするオメガ3脂肪酸は、血液をさらさらにする作用があります。血液をかたまりにくくする薬、痛みや熱を下げるための非ステロイド系抗炎症剤を服用している方では効果が強く出てしまい、出血のリスクが高まる可能性があります。

さらに、薬の効果を弱めたり強めたりする相互作用が起こることもあるため、自己判断で摂取し始めるのではなく、医師や薬剤師に相談してから摂取をはじめてください。


 

加熱を避け、生食で使用する

エゴマ油は熱に弱く、加熱調理をすると栄養成分が壊れたり、体に有害な過酸化脂質が生成されたりする可能性があるため、加熱せず生食で使用するのがおすすめです。(5)

具体的な使用方法は、以下のとおりです。

  • ドレッシングとして使用する

  • ヨーグルトに小さじ1杯混ぜる

  • パンに塗る

  • お味噌汁に垂らす

  • 炊きたてのごはんに少量垂らす

エゴマ油をさまざまな料理に活用し、食事に変化を持たせられます。簡単に健康効果を取り入れられて、おすすめです。


 

そもそもエゴマ油とは?

エゴマ油はシソ目シソ科の植物であるエゴマの種子から搾られた油です。

エゴマ油の特徴は、オメガ3脂肪酸であるα-リノレン酸を豊富に含んでいる点で、体内に入ると一部、EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)に変換されます。(1)(6)

現代の食生活に不足しがちな栄養素を手軽に補える油で、芳醇な香りとクセのない味わいから、さまざまな料理に取り入れやすく、健康志向の方に人気です。


 

エゴマ油の成分と特徴

エゴマ油は、オメガ3脂肪酸を豊富に含み、健康維持や美容効果が期待できる植物油です。

具体的な特徴は以下の通りです。(7)(8)

  • α-リノレン酸が豊富に含まれる

  • 脳の健康維持に寄与する

  • 血圧を下げる働きがある

  • がんの抑制効果がある

特に、エゴマ油の主成分であるαーリノレン酸は、体内でEPAやDHAに変換される必須脂肪酸で、血液をサラサラにする作用があります。

また、抗酸化作用を持つビタミンEも含まれており、老化防止や肌の健康維持にも効果が期待されています。


 

エゴマ油の摂取による効果

エゴマ油には、前述したような健康面での効果だけでなく、美容面においても以下のような効果が期待されています。(7)(9)(10)(11)

抗炎症作用

体内で起こる炎症を引き起こす物質の働きを抑えることで炎症や痛みを軽減する抑える働きがある

アレルギー症状の緩和

α-リノレン酸が免疫システムの調整に役立ち、アレルギー症状に関連する炎症を抑える働きがある

高血圧の改善

血圧の上昇を抑え、高血圧になるリスクを下げる

美肌効果

オメガ3脂肪酸が血流を改善し、肌のターンオーバーを整えることで、肌荒れやニキビを防ぎ、美肌づくりやエイジングケアに役立つ

ダイエット効果

DHAやEPAは、悪玉コレステロールを減らし、血液をサラサラにして代謝と脂肪燃焼を促す

 

エゴマ油の健康効果を実感するまでには個人差があり、継続的な摂取が必要です。正しい摂取方法で、根気強く摂取しましょう。


 

エゴマ油の選び方

エゴマ油を選ぶ際は、製造方法や品質に注目するのが大切です。

特に、高品質なエゴマ油を選ぶためには、以下のようなポイントを確認しましょう。

選び方のポイント

詳細

低温圧搾(コールドプレス)のものを選ぶ

栄養価が損なわれにくく、エゴマ油本来の風味を活かせる

添加物が含まれていないもの

余計な成分が含まれておらず、体への健康負担も減らせる

信頼できるメーカーやオーガニック認証を受けた製品

製品の安全性や品質を保証する認証があるものは、安心して利用できる

酸化リスクの少ない、遮光性の高いボトルに入った製品

酸化を防ぐために、遮光性の高いボトルや真正な製品を選ぶ

 

これらの基準を満たしたエゴマ油を選ぶことで、より高品質なエゴマ油を手に入れられます。購入後は冷蔵保存し、開封後は早めに使い切って、鮮度を保ちながら使用しましょう。(5)


 

エゴマ油は危険ではない!健康維持のために積極的に取り入れよう

エゴマ油は、適切に使用することで健康や美容に多くのメリットをもたらします。

ただし、過剰摂取や加熱調理などの不適切な使用、高温多湿や直射日光の当たる場所での保管による品質劣化には注意が必要です。

正しい知識を持ち日々の生活にエゴマ油を活用しましょう。

たとえば、日々の食事にエゴマ油を小さじ1杯プラスすることで、手軽に栄養を補えます。サラダやスープに加えると風味が増し、健康効果も期待できます。

普段の食事に無理なく取り入れることで、健康的で充実した毎日を目指せるでしょう。

ヘルスカレッジ栄養編集チームは、管理栄養士や食の専門家が集まり、最新の栄養情報をわかりやすく、毎日の生活に役立つ形でお届けしています。

私たちの目標は、栄養に関する知識をシンプルに説明し、皆さんが健康的な食生活を楽しみながら実践できるようサポートすることです。

参考文献

References

  1. 見た目だけでは分からない、えごま油の品質|目的|独立行政法人国民生活センター
  2. eJIM | オメガ3サプリメントの安全性について | 厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』
  3. eJIM|オメガ-3脂肪酸と心臓病の関係について知っておくべき5つのこと|厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』
  4. 食用油の加熱劣化の評価 - PV/CV/AV 値と極性化合物量の相関 -|加熱劣化と自動酸化のPV*/CV(Bu)/AV指標 による比較|市川 和昭
  5. 最新の栄養学と生活習慣病|植物性油は酸化しやすい「使用上の注意」|特定非営利活動法人 国際交流の会とよなか(TIFA) 環境プロジェクト 
  6. 健康に良い油、 “オメガ3脂肪酸”とは?|お茶の水女子大学 名誉教授 小林 哲幸
  7. 届出食品の科学的根拠等に関する基本情報(一般消費者向け)|太田油脂株式会社
  8. エゴマの成分と利用|エゴマ油の機能性|郡山女子大学 食物栄養学科教授 広井 勝
  9. 魚油や亜麻仁油に含まれるオメガ3系多価不飽和脂肪酸のエイコサペンタエン酸が痛みに効く分子メカニズムを解明 ~慢性痛の新規医薬品の開発に期待~|岡山大学
  10. ~ベジタブルオメガ3「えごま油」の誕生~食用化への利用開発|長坂 泉紀,門野 元一,太田 健介
  11. 脂肪酸の分類(1)|オメガ3脂肪酸とダイエット
  12. 酸化ストレスと動脈硬化|國友 勝
  13. エゴマ油とその栄養効果|VI.エゴマ油を使った料理|島根県立大学出雲キャンパス 島根ヘルスケア・ジャーナル 第1巻,1-4,2023 
  14. エゴマ油の栄養特性と利用|エゴマ油の自動酸化安定性|市川和昭
  15. 油の酸化について|食べ物と健康|名古屋学芸大学 管理栄養学部
https://www.health-college.com/article/dangers-perilla-oil